今回のテーマは、「“高見え”するデザイン」。
突然ですが、あなたも
「なんだか高そうに見える」「上質だなあ」
と感じた物やデザインはありませんか?
同じ“スマホケース”でも
なぜか上質に見えるものがあったり、
同じ“箱”でも
なぜか高級に感じてしまうものがありますよね。
けれどその理由を言葉にして説明しようとすると、
なかなか難しいものです。
今日はその「高見え」の正体について
ゆっくり考えていきたいと思います。
「高見え」とは?
高見栄について感覚的に言うなら、
実際の価格以上に、上品で質が高く見えること。
だと思います。
ただ、ここで重要なのは
「豪華」ではなく「上品」という表現が似合うということ。
高見えは
“派手さ”とは真逆のところにありますよね。
高見えするデザインの条件
①余白があること
高見えデザインの特徴の一つに
「余白の扱いがうまい」というものがあります。
余白というと
「空いている部分」くらいの印象かもしれませんが、
実際は “ゆとり” や “品の良さ” をつくる大切な要素です。
余白があることで、
– 情報を詰め込んでいない自信
– ゆっくり見ていいよという安心感
– 品の良い落ち着き
が生まれ、自然と“高見え”につながります。
逆に余白が少ないと、
どれだけ良い素材を使っていても窮屈に見えます。
②色の使い方が控えめで丁寧
高見えする色は、
「強い色」ではなく「品のある色」です。
例えば、
– くすみ系
– ベージュ
– グレージュ
– チャコール
– ネイビー
– ダスティピンク
こういった色は主張がやわらかく、
大人っぽい印象をつくります。
さらにポイントなのは、
色数が少ないこと。
全ての要素が主張しないことで
高いまとまりや洗練さが生まれます。
③線と形に“無駄”がない
高見えデザインは、
形がやたら複雑ではありません。
– エッジが美しい
– 線の太さが均一
– シルエットがすっきり
– 不必要な装飾がない
これらはすべて
「余裕」や「品」を感じさせる要素になります。
人間でも、
身に着けるものはシンプルでも
姿勢が良いだけで“上質”に見えたりしますよね。
形にも同じことが言えます。
④素材感が伝わる
高見えの大きな理由のひとつは、
素材が綺麗に見えること。
– 光の反射が上品
– 表面の質感が丁寧
– 滑らかな影
– 細部の仕上げが綺麗
逆に仕上げが雑なだけで
一気に「安く見える」こともあります。
たとえば、
質の良い紙は影の落ち方や触れた時の反応が違うように、
素材感はゆっくり見ていると自然と伝わりますよね。
⑤リズムや密度が整っている
高見え=整っている
と言い換えてもいいかもしれません。
– 文字の間隔
– 画像の余白
– 線の太さ
– レイアウトの重心
こういった細かいバランスが美しいと
それだけで「丁寧さ」が生まれます。
“高見え”は結局のところ
丁寧に作られている印象 が重要なんです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
高見えするデザインは、
派手でも豪華でもありません。
むしろ逆で、
静かで、余裕があって、隅々まで丁寧に扱われているもの。
その“品の良さ”や“ゆとり”が伝わった時、
僕たちは自然と「なんか高そうだな」と感じるのだと思います。
僕自身、デザインをするとき
力強さや主張とは違う、この“静かな上質さ”を大切にしたいといつも思っています。
今回の内容も、
あなたのものづくりのヒントになれば嬉しいです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
またお会いしましょう。



記事へのコメント