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「丸」と「角」について考えてみました。|形がもたらす印象と心理の関係

かたち
この記事は約5分で読めます。

こんにちは、atsumoです。

今回は「形」について。

中でも「丸」と「角」に注目してみたいと思います。

 

丸い形と角ばった形、どちらにもそれぞれの良さがあります。

 

でも僕たちは、なぜ“丸いものにやさしさ”を感じ、

“角のあるものに強さ”を感じるのでしょうか。

 

直感的にわかっていることほど、深く考えると面白い。

 

今回はそんな「丸と角」の奥にある心理や美しさを掘り下げてみたいと思います。

 

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丸と角の印象の違い

形には、それだけで感情を動かす力があります。

 

丸は「やさしい」「柔らかい」「親しみやすい」印象を与え、

角は「強い」「鋭い」「真面目」「緊張感のある」印象を与えます。

 

 

例えば、赤ちゃんの頬や雲の形、丸いフォントや家具の角の取れたデザインなど。

僕たちは、丸いものに触れると無意識に安心します。

 

一方で、角があるものは緊張感を生みます。

ナイフや建物の角、カクカクしたフォントなどは、

「ぶつかったら痛い」「正確で整っている」といった印象を持たせます。

 

形の違いだけで、こんなにも感情が変わるんですね。

 

丸がもたらす心理的効果

丸い形がやさしく感じるのは、僕たちの進化とも関係していると言われています。

 

人間は生まれたときから「丸いもの=安全」という経験を重ねています。

 

たとえば母親の顔、目や頬の輪郭、木の実、果物…

自然界の「生」を象徴するものの多くは丸い形をしています。

 

また、丸は“連続的”で“終わりがない形”です。

 

角がないため、目の動きが止まらずスムーズに流れます。

 

その視覚的な滑らかさが、やすらぎや安心感を感じさせるのだと思います。

 

心理学でも、丸い形は「接近したい」という感情を引き出す傾向があるといわれています。

 

だからこそ、ロゴやキャラクターに丸みをもたせると“親しみやすく”見えるのです。

 

角がもたらす心理的効果

角のある形には、明確な方向性と秩序があります。

 

“どこかへ向かう”“動きを止める”“枠をつくる”といった印象を与えるのが角です。

 

そのため、ビジネスや建築など「誠実さ」「精密さ」「強さ」を表したい場面で多く使われます。

 

正方形のロゴや、角ばったパッケージ、四角い画面。

そこには「安定」や「信頼」を象徴するメッセージが含まれています。

 

ただし、角は強さの反面、“冷たさ”や“威圧感”も生みます。

受け手がどう感じるかは、文脈や組み合わせで大きく変わるんです。

 

丸と角のバランスで生まれる美しさ

現実のデザインでは、丸と角の“バランス”こそが重要です。

丸ばかりだと締まりがなく、角ばかりだと冷たくなります。

 

たとえばApple製品。

 

ものによって、エッジはあるのに全体はしっとりやわらかく、手にしたときに“痛くない”。

角を「取る」のではなく、「整える」。

 

この絶妙なラインの取り方が、プロダクトの印象を決めているのです。

 

シンプルな形ほど、丸と角のリズムが問われると僕は思います。

 

丸があるから角が生き、角があるから丸が美しく見える。

 

この対比の中に、デザインの奥深さがあるんじゃないでしょうか。

 

丸と角の選び方

形をデザインに使うとき、

まず「どんな感情を伝えたいか」を考えると選びやすいです。

 

伝えたい印象 形の選び方
やさしさ・親しみ・安心感 丸みを多く取り入れる(曲線・楕円など)
誠実さ・信頼・秩序 角を強調した構成(正方形・直線など)
ダイナミックさ・スピード感 丸と角を組み合わせてコントラストを作る
静けさ・調和 丸みと角を中間的に整えたフォルムにする

 

“どちらが正しい”ではなく、
「どんな関係をつくるか」で見え方が変わります。

まとめ

丸と角は、ただの形ではありません。

確かに感情を呼び起こす、形の隠し味のようなものだと思います。

どちらか一方に偏るのではなく、

そのプロダクトにとっての「ちょうどよさ」「気持ちよさ」を見つけること。


それが、見る人を惹きつけるデザインの鍵だと思います。

今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。


またお会いしましょう。


【参考】形と心理に関する専門用語

用語 意味 関連箇所
ゲシュタルト原則 形やパターンを全体として知覚する心理の傾向 丸の一体感・流れの説明
プラグナンツの法則 人は最もシンプルで安定した形にまとめて認識する 丸に安心感を感じる理由
アフォーダンス 形が自然に「どう使うか」を示す性質 角のある形が“枠”や“方向”を感じさせる点
緊張と解放

(テンション&リリース)

視覚的バランスをつくる対比の原理 丸と角の組み合わせによる調和
エッジ処理

(Chamfer/Round)

角を取る加工の種類 Appleなどの滑らかなデザイン例

 

atsumo

理工系の学部を卒業し、メーカーの生産技術職を経てデザインの道に進み、工業デザインとUI・UXデザインを経験しました。僕と同じような人がデザイナーやクリエイターを目指したり制作活動をすることの力になりたいと思っています。

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