
デザインの世界には、本当にたくさんの仕事があります。
でも、いざデザイナーを目指そうと思うと…
「種類が多すぎて違いがよくわからない…」
「どれを選ぶべきなの?」
そんな疑問がどうしても出てきますよね。
僕自身、昔は“グラフィック”と“プロダクト”くらいしか知らなくて、
業界に入ってから「こんなにあったの!?」と驚きました。
そこで今回は、
主要なデザインの仕事10種類を、ひとつずつ“やさしく”紹介していきます。
最後には、未経験から目指すのにおすすめのデザイン職もまとめています。
よろしくお願いいたします!
デザインの仕事の種類
1. グラフィックデザイン
印刷物のデザイン全般を扱う、もっとも身近で歴史のあるデザインの領域です。
情報を“どう視覚的に伝えるか”に徹底的に向き合う仕事で、
– 視線の流れ
– 文字の優先順位
– 配色
– 情報量の調整
こんな要素を絶妙にコントロールしながら
「読みやすく、美しく、伝わる」形にしていきます。
グラフィックデザインの対象物としては、ポスターやチラシなど、さまざまな用途・形態のものがあり、最も身近かつ実績と歴史のあるデザインと言えます。
出版物の存在意義は、第一に情報を伝えることです。
入手している様々な情報に正しく優先順位をつけ、人の性質も理解したうえで自然に内容を受け取ることができるよう配置や配色、文字サイズを検討します。
また、100%を視覚から得るという性質上、目立ちやすさを優先したものや、美しさなどで好印象を抱いてもらい、その後に主体的に詳細情報を得てもらうなどの方法を取っているものも多くあります。
手段が限られる中で、他に埋もれずかつ適切に情報を伝えるデザインを検討することは一見シンプルに思いますがレベルの高いことなんです。
2. Webデザイン
Webサイトの外観や構造をデザインします。
Webデザインは、
グラフィック+UI(ユーザーインターフェース)+読みやすさの思考が合わさったような仕事で、
– 情報整理
– ワイヤーフレーム
– デザイン
– 企業イメージの反映
– 必要に応じてHTML/CSSでの構築
などを行います。
また、LP(ランディングページ)のデザインをすることもこれに含まれます。
募集要項の業務内容に「コーディング」や「フロントエンドの開発」などとある場合は、ページの外観をコーディングによって作ることもプラスして求められますが、記載のない場合はデザインのみ作ることになります。
また、アクセシビリティといって、例えば視覚の不自由な方に向け、音声読み上げの際に各要素をどう表現させるかなども考慮する必要があります。
性質上、グラフィックデザイナーがウェブデザイナーになる事例は多くあります。
Webデザインは企業イメージと密接にかかわるので、要点を把握して適切にデザインに反映できる力が必要になりますよ。
3. UI・UXデザイン
UIとは、User Interfaceの略で、ユーザーがツールやアプリケーションを使用する際に実際に見て触れる部分のことを指します。
UXは、User Experienceの略で、UXデザインとはユーザーの特別な体験を設計することを指します。
よくUI・UXデザインという順序で用いられますが、
ざっくりといえば、UIは見える部分、UXは感じる部分、というイメージです。
私たちが何気なく使用しているスマートフォンのアプリは使用感を何度もテストしてリリースされたものであり、実際に配置や文字サイズなどが少々変化したのみで違和感を抱き使いづらいものとなる場合があります。
デザインによっては操作がわからず全く使えずすぐアンインストールされるということもあり得るでしょう。
アプリケーションはたくさんの種類を簡単に試すことができるため、より直感的な使いやすさが求められます。
さらには、ありきたりな機能や操作性のアプリだけではなく、ユーザーを感動させるような斬新さや便利さを持ったものができないかどうか、常に常識を疑って考えていくことが必要となります。
アプリケーションなどITの領域は技術の変化や進歩の速度が速いため、できることも増えていくでしょう。
使いやすいデザインを追求する気持ちとともに、知識を常にアップデートすることが求められるデザイナーだと思います。
4. 工業(インダストリアル)デザイン
主に量産される製品の機能を含む外観をデザインするデザイナーです。
プロダクトデザイナーとも呼ばれますが、最近ではアプリケーションのデザイナーにも同じ呼称が用いられますので、区別するためにも工業デザイナーと呼ぶのが良いかもしれません。
工業デザインの核となるのは、求められる機能や仕様を実現しながらも商品としての魅力のある外観形状をデザインすることです。
自分や関係者のアイディアを即座に可視化できるスケッチ力と、意匠を忠実に反映した美しい3Dモデルを制作できる技術が求められます。
加えて、その商品に関係する技術の理解を深める必要も出てきます。
デザインが、性能を台無しにしてしまうことがあれば本末転倒ですからね。
逆に、技術の高さをアピールできたり、合理的なデザインができた際にはその製品はとても良い評価を受けるでしょう。
その他にも、製品のデザインは材質や製造方法の影響を受けることも大きく、形あるものを取り巻くさまざまな要因についての知識を身に付けることが求められます。
私atsumoは過去工業デザイナーとして仕事をしていましたので、別途具体的に記事を書きたいと思います。
5. インテリアデザイン
室内空間の設計を行います。住宅、オフィス、公共スペースの内装デザインや配置を担当し、機能性と美観のバランスを考慮します。
単に空間を美しく見せることだけではなく、実用性、安全性、快適性を考慮して、人々の生活や働く環境をより良くすることを目指します。
具体的には、デザインコンセプトを元に色、素材、照明、家具などを選定するほか、効率的で機能的な空間利用を考えて動線分析や家具の配置計画も行います。
デザインの詳細を詰めたのちは、必要な建材や仕上げ、家具、照明器具などの仕様書を作成したり、施工がデザイン通りに進むよう、現場監督を行うこともあります。
また、必要に応じて施工業者との打ち合わせや問題解決に努めます。
6. ファッションデザイン
デザインと言うと、ファッションデザインを思い浮かべる人も多いと感じます。
ファッションデザインは、衣服やアクセサリーをデザインする仕事です。トレンドの分析から素材選び、パターン作成まで、ファッションアイテムの制作過程全般を担当します。
衣服に不可欠な生地や付属品は、サプライヤーとの打ち合わせなどを経て選定していきます。
ファッション業界はトレンドを作っていく側面もあり常に変化しているため、時流に敏感であること、柔軟性を持って仕事に取り組むことが求められます。
一方で過去のトレンドや歴史を学ぶことも必要になるでしょう。
7. キャラクターデザイン
言うまでもなく私たちの大好きな漫画やアニメ、ゲームに出てくるキャラクターもデザインされたものです。
キャラクターは単独で存在するのではなくそれぞれの舞台の中に存在し活動するため、舞台の世界観や歴史、背景にマッチした特徴を持つことが求められるでしょう。
性別や身長のほか、行動やたたずまい、身に付ける衣服や装飾品といった外見の情報が重要なのは当然ですが、それを選択するに至るキャラクターの性格や経験を世界観と照らし合わせて考えることが共感を生むデザインに繋がります。
8. モーションデザイン
ここ最近、需要が爆増している領域です。
アプリのアニメーション、Webの動き、CMのタイポグラフィなど、
視覚に“動き”を加えるデザインがモーションデザイン。
– UIの動き
– ボタンのアニメーション
– ローディングの演出
– YouTubeなどのモーショングラフィックス
– タイトルアニメーション
「動き」は情報の印象や使いやすさを大きく左右するため、
UI/UXと相性がよく、今後さらに価値が高まるデザイン職です。
9. 3Dデザイン
CGや3Dモデルの制作を専門とするデザイナー。
工業デザインの3Dとは目的が違い、
– 映画・アニメのCG
– ゲームの背景・キャラモデル
– 建築パース
– プロダクトのリアルなレンダー
など、**“ビジュアルとしての3D”**を作るのが中心。
背景美術、光の表現、質感の作り込みなど、リアルさからファンタジーまで幅広く活躍できます。
10. パッケージデザイン
実はデザインの中でも非常に存在感のある職種。
食品・飲料・お菓子・コスメなど…
お店で一番最初にお客さんの目に触れるのは“パッケージ”です。
– グラフィック
– 情報量の整理
– 立体の展開
– ブランドイメージの表現
この全部を扱う“総合力の高いデザイン”で、デザイナーとしての腕が問われる領域でもあります。
デザイナー、0から目指すには?おすすめをご紹介
未経験から工業デザイナーとなり、Webデザイナーのキャリアを進んでいる私が、これからデザイナーを目指す皆さんにおすすめするのは、UI・UXデザイナーです。
UI・UXデザイナーが手掛ける「アプリケーション」は、見た目だけでなく使い勝手が重要で、企業のイメージにも直結するものです。
そうした理由に加え、人材の需要も高いため給与が安定していると感じますし、私自身目指しています。
このUI・UXデザイナーになるためには、Webデザインの経験が3~5年求められることが多いため、Webデザインの勉強を行うことはとても意味があると思います。
本サイトでも創造力を磨いたり視野を広げるきっかけを作るお力になれればと思いますが、Webデザインについて手っ取り早く学ぶためにはやはりスクールに通うのが良いと思います。
私自身は、完全独学でWebデザインを学んだのですが、学んだことを証明してくれるものはポートフォリオ以外なく、なんといってもはじめの仕事を受けることがとても難しかったです。
しかし、スクールでは仕事に繋ぐサポートもしてくれるので、安心して集中して学ぶことができます。
そんなスクールでもおすすめしたいのがこちら、デジタルハリウッド大学によるオンラインのWebデザインスクールです。
私の工業デザイナー時代に、知人が全くの異業種からデザイナーを目指してこちらのスクールに通い、1年未満でWebデザイナーとなり、いまでは私の先を行っている実績があります。
ご自宅のPCやスマートフォンから、月々9,100円から最短で学ぶことができますので、お話を聞くだけでもぜひ!
まとめ
今回は様々なデザインの仕事について紹介しました。
大変そうなイメージもついてしまったかもしれませんが、デザインの仕事は達成感が大きく、いい意味で刺激的なものだと実感しています。
一方で、これらのデザイン・制作は、小規模であったり一部であれば個人の趣味として進めることも可能ですし、誰に止められるものでもないと思います。
皆さんもぜひ何か創作をはじめてみませんか?
最後までお読みくださりありがとうございました!
この記事が役に立ったと感じていただけましたら、いいねを押していただけると嬉しいです。
それではまたお会いしましょう!





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