今回のテーマは、「親しみやすさ」。
あなたの周りにも、
なぜか“ほっとするもの”や“話しかけやすい人”、
“つい手に取ってしまうデザイン”がありませんか?
それをひと言で表すと、
おそらく 「親しみやすい」 という感覚だと思います。
でもこの“親しみやすさ”って、
どこから生まれるのでしょうか?
デザインにおいても、人においても、
この感覚はとても大事なテーマだと感じています。
今日はその正体をゆっくり紐解いていきたいと思います。
親しみやすさとは?
辞書を調べると、
> 親しみやすい=心の距離が近く感じられること
と書かれています。
なんだか温かくて、やわらかい言葉ですよね。
裏を返すと、
「壁がない」「緊張しない」「拒絶されない」
という安心感がある状態とも言えます。
そしてこの“心の距離の近さ”は、
デザインにもそのまま当てはまると感じます。
親しみやすさを生む要素①
“丸さ”や“やわらかさ”
人間は本能として、
“角のあるもの”よりも“丸みのあるもの”に安心感を覚えます。
– 角のないフォルム
– 丸みのある線
– やわらかい輪郭
– ふっくらした形
これらはすべて、
拒絶しない・受け入れてくれる印象につながっています。
身近な例でいうと、
人気のキャラクターや、子ども向けのグッズは
必ずといっていいほど丸みがありますよね。
形だけで、すでに“優しさ”が伝わってくるのです。
親しみやすさを生む要素②
色の温度感
色にも“距離感”があります。
– 暖色は距離が近い
– 寒色は距離が遠い
– 淡い色は優しい
– 強い色は力がある
親しみやすさを感じる色は、
やわらかい暖色 × 明度の高め × 彩度は少し控えめ
という傾向があります。
たとえば
ベージュ・クリーム色・淡いピンク・ライトグリーンなど。
強い色は印象に残りやすいですが、
“優しさ”ではなく“主張”が前に出ることが多いですね。
親しみやすさを生む要素③
情報密度がちょうど良い
親しみやすいデザインには、
詰め込みすぎていない余白があります。
情報が多いと、
読み手は「構え」てしまいます。
逆に余白が十分あると、
– ゆっくり見られる
– 呼吸がしやすい
– 圧迫感がない
という“居心地の良さ”が生まれます。
親しみやすさの正体のひとつは、
この「居心地の良さ」なのかもしれません。
親しみやすさを生む要素④
距離が近すぎない、でも遠すぎない
これは人にも言えることですが、
“近いけれど、踏み込みすぎない”距離感って心地いいですよね。
デザインでいうと、
– ほどよい線の太さ
– ほどよい余白
– ほどよい装飾
– ほどよい主張
この“ほどよさ”が親しみやすさを作ります。
逆に、
– 情報量が重すぎる
– コントラストが強すぎる
– 線が鋭すぎる
– 配色が派手すぎる
こういうデザインは“気を引きたい”印象が強く、
親しみやすさからは少し離れます。
親しみやすさを生む要素⑤
「人の気配」があること
最後に大きなポイントとして、
“人の気配”が感じられるデザインは親しみやすい
というものがあります。
– 手描きの線
– 手書き風のフォント
– ちょっとした揺らぎ
– 触った痕跡
こういった“完璧ではない部分”が、
かえって温かさとして伝わります。
僕たちは本能的に、
機械よりも“人の息づかい”を求めてしまうのかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
親しみやすさのあるデザインは、
“弱い”わけでは決してなく、
むしろ見る人にそっと寄り添ってくれる強さを持っています。
力強いデザインや個性的なものも素敵ですが、
心の距離を縮めることができる“親しみやすさ”もまた、
とても価値のある印象だと思います。
今回はこの辺で。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
またお会いしましょう。



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