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“ゆらぎ”があると美しく見える理由|デザイン・自然・アートに共通する心地よさの正体

印象
この記事は約5分で読めます。

こんにちは、アツシです。

 

今回は、ずっと気になっていた「ゆらぎ」についてまとめてみます。

 

たとえば、

・焚き火の炎

・川のせせらぎ

・ろうそくの明かり

・風で揺れる草木

・子どもの走り方

・猫のしっぽの動き

 

こうした“一定じゃない”動きって、なぜこんなに心をつかむのでしょう?

 

僕たちは規則的なものに安心しながら、同時に、ほんのすこしの“不規則”に美しさを感じている気がします。

 

今回はその理由を、自然・アート・デザインの視点から整理してみました。

 

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ゆらぎとは何か?

ゆらぎとは、一言でいえば、

「規則と不規則のあいだにある、微妙な揺れ」

のことです。

 

完全にランダムではなく、完全に機械的でもない。

 

人間のリズムにも、自然界のリズムにも必ず存在しています。

 

たとえば、

・心拍

・呼吸

・風の強さ

・波の高さ

・木の枝の揺れ方

・歩くリズム

 

これらはすべて、規則的に見えて、実は均一ではありません。

 

この“揺れ幅”こそが、僕たちが心地いいと感じる源になっています。

 

なぜ、ゆらぎは美しく見えるのか?

では次に、なぜゆらぎは僕たちにとって心地よいものなのか、考えて見たいと思います。

① 規則的すぎると、緊張するから

人は予測できないものを怖がりますが、

予測できすぎるものには、退屈や緊張を感じます。

 

例えば、

・完全な等間隔の模様

・真っ直ぐすぎる線

・機械的な音

・均一に揃いすぎた動作

 

ずっと見続けると“冷たさ”が出ます。

 

ゆらぎは、この冷たさを溶かしてくれます。

 

② 不規則すぎると疲れるから

逆に、完全なランダムはストレスになります。

 

・騒音

・バラバラの模様

・予測できない動き

 

こうしたものは、脳が常に解析を続けるため疲れやすいんです。

 

③ ゆらぎは「自然界のリズム」そのものだから

自然界は、規則と不規則の間を生きています。

 

・波は一定のようで毎回違う

・木漏れ日はゆれて形を変える

・炎は生き物のように揺れる

 

この“自然の揺らぎ”と同じパターンが、

いわゆる 1/fゆらぎ と呼ばれるリズムです。

 

人の脳波も、心拍も、声も1/fゆらぎを含んでいるため、

自分と同じ“揺れ”を感じると安心する と言われています。

 

アートやデザインにおける「ゆらぎ」の価値

それでは、何かものを作るとき、ゆらぎはどういった形で力を与えてくれるのでしょうか。

 

① 緊張とリラックスのバランスが生まれる

たとえば、絵画で完全な直線ばかりだと固く見えますが

ほんの少しだけ線が揺れると一気に“人の温度”が宿ります。

 

UIでも、

・軽い角丸

・気づくか気づかないか程度のグラデーション

・ぼかされた縁

・ノイズを含んだ背景

 

などは、無機質さを和らげる力があります。

 

② 情緒や物語を感じさせる

“ゆらぎ”には意図があるように見えます。

 

・風が通った

・誰かの手が加わった

・光が差し込んだ

 

たとえ静止画でも、ゆらぎを捉えたものには動きを感じさせられます。

写真・絵画・UI・プロダクトすべてに応用できる「余韻」のつくり方です。

 

③ 整っているのに、息苦しくない

最近のUIデザインやWebデザインにも「透明感+ノイズ」が多く取り入れているのも、

実は“ゆらぎを加えるため”だと感じます。

 

シンプルな中に微細な揺らぎを入れることで、

シンプルの持つ冷たさを中和しているんです。

 

デザインで“ゆらぎ”を使うコツ

完璧に整えすぎない

線や影、距離をすべて「0か1」で決めないことかなと思います。

ゆらぎは「0.7」のような曖昧さから生まれます。

 

パターンに少しだけ変化を入れる

等間隔の中の1つだけを変えると、自然なリズムが出ます。

 

ノイズを敵としない

ノイズ=悪ではなく、

“質感”や“空気感”として味方にする。

 

動きに「間」をつくる

スピード感を感じさせたら、実際に動くものについては、等速度より、少しだけ速い・遅いを混ぜると生命感が出ます。

 

まとめ

ゆらぎとは、

自然界のリズムと、人間の心地よさをつなぐ“間”の要素だと思っています。

 

完璧でもなく、無秩序でもなく、

その中間にあるあいまいな揺れ。

 

そこに、美しさ、温度、安心感、生命感が宿るのだと思います。

 

あなたも日常であえて“ゆらぎ”を作ってみてください。

作品でも、デザインでも、きっと大きく変わるはずです。

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。

またお会いしましょう。

 

いいねをいただけると、明日の活動の励みになります🙌

 

 

アツシ

理工系の学部を卒業し、メーカーの生産技術職を経てデザインの道に進み、工業デザインとUI・UXデザインを経験しました。僕と同じような人がデザイナーやクリエイターを目指したり制作活動をすることの力になりたいと思っています。

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