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色相とは?色の三属性「色相」の意味・印象・使い方をデザイナー目線でやさしく解説

この記事は約5分で読めます。

こんにちは、アツシです。

 

今回は、色の三属性のひとつ 「色相」 について考えてみたいと思います。

色は “色相・明度・彩度” の3つの性質からできていますが、

その中でも色相は 「何色っぽいか」 を決める、とてもわかりやすい軸です。

ただ、わかりやすいようで、

「色相ってどこからどこまで?」

「どうやって分類されてるの?」

「印象はどう変化するの?」

……という点は、意外と知られていなかったりします。

ということで、今回は色相の意味から、感じる印象、扱い方まで、

ゆっくり整理していきたいと思います。


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色相とは何か

色相(Hue)は、色の“種類”を示す性質です。

赤・黄・緑・青・紫……

これらの「色み」の違いをつくっているのが色相です。

ここでは色相をもう少し深く分解してみます。

① 色相は“色の見た目の性格”

色相の「相」という字には

“姿・ありさま” という意味があります。

つまり色相は、色そのものの“外側の個性”を示すイメージ。

赤は熱く、青は冷たく、緑は自然らしく……といった、

色の性格 は色相から生まれます。

② 色相は“循環している”

色相は一本の線ではなく、ぐるりと繋がる環(サークル) になっています。

赤→オレンジ→黄→緑→青→紫→赤…

この連続性があるからこそ、

「赤寄りの紫」「青寄りの緑」のような細かいニュアンスが作れます。

③ 無限に細分化できる

色相は“何色”という単純な区別ではなく、赤寄りの黄・緑寄りの青・紫寄りの赤など、

滑らかなグラデーションで無限に細分化できる のが特徴です。


色相がつくる印象

色相は、明度や彩度よりも “感情と直結した印象” を与える要素です。

ここでは、色相ごとの大まかな印象を見てみましょう。

① 暖色系(赤・橙・黄)

  • 暖かい

  • 活動的

  • 前向き

  • エネルギッシュ

  • 人の注意を引く

夕陽、炎、花、果実。

人間の生活に密接な色なので、感情を揺さぶりやすい色相帯です。

② 寒色系(青・青緑・緑)

  • 冷たさ

  • 静けさ

  • 落ち着き

  • 信頼感

  • 清潔

水・空・植物・氷など、自然の大きな要素を連想します。

ロゴやアプリの信頼性を高めるために多用されます。

③ 中性色(紫・黄緑・青紫など)

  • 神秘的

  • 大人っぽい

  • 独特の雰囲気

  • 芸術性が高い

暖色と寒色の中間に位置するため、

“どちらにも属さない特別感” を与えられます。


色相の扱い方(デザイン実践)

色相は色の“方向性”を決める要素なので、

使いこなせると作品の世界観を自在に変化させられます。

ここではデザイン視点の扱い方をまとめます。

① 色相を揃えると「調和」が生まれる

たとえば黄〜黄緑の範囲で色をまとめると、

同系色のためまとまりがよく、やさしい世界になります。

逆にバラバラの色相を使うと、それだけで賑やか・奔放な印象になります。

② 色相を対立させると「アクセント」が作れる

色相環で正反対にある色同士は補色と呼ばれます。

例:

赤 ↔ 緑

青 ↔ 橙

紫 ↔ 黄

補色は強いコントラストを生み、

少し添えるだけでアクセントになります。

③ 色相をずらすだけで“温度”が変わる

黄色を少し赤寄りにする → あたたかい黄

黄色を少し緑寄りにする → フレッシュな黄

同じ色のまま“温度だけ”変えることができます。

繊細なデザインほど、この「色相の調整」が効いてきます。


マンセルシステムで見る色相

マンセルでは色相を 10の大きなグループ に分けています。

主要色 補色方向 表記例
R(赤) YR・RP 5R
Y(黄) GY・YR 5Y
G(緑) BG・GY 5G
B(青) PB・BG 5B
P(紫) RP・PB 5P

この主要5色と、それぞれの中間色5つを合わせた 10色相 をベースに、

1〜10の数字で細かく指定します。

例:

1R → ほぼ橙寄りの赤

5R → 代表的な“真ん中の赤”

10R → 赤寄りの橙に近い赤

色相を“位置”として捉えると、

色の世界が地図のように扱いやすくなりますよ。


まとめ

色相は、色の「何色っぽさ」を決める性質ですが、

その正体は 色の性格そのもの だと思います。

僕もデザインを始めた頃は、

「赤は強い色」「青は落ち着く」といった単純なイメージで扱っていました。

でも、色相を“循環する地図”として理解すると、

その間にある無限のニュアンスが見えてきます。

色はただの分類ではなく、

心の反応と直結した、とても深い世界です。

ぜひみなさんも、日常の中で

「今見ている色は色相環のどの位置だろう?」

と考えてみてください。

世界の見え方が、ほんの少し変わるかもしれません。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

またお会いしましょう。

 

他の属性について

明度についてはこちらにまとめています。

彩度についてはこちらにまとめています。

アツシ

理工系の学部を卒業し、メーカーの生産技術職を経てデザインの道に進み、工業デザインとUI・UXデザインを経験しました。僕と同じような人がデザイナーやクリエイターを目指したり制作活動をすることの力になりたいと思っています。

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