今回は、ユーザビリティ。
簡単にいうと、使いやすさです。
ものを作るにあたって、使いやすさについて突き詰めることは重要です。
どれだけデザインが良くても使い勝手が悪いものは、結果として悪い印象を与えてしまうという話もあります。
そんなことを防ぐためにも、今回は使いやすさについて深く考え、まとめてみたいと思います。
それではいってみましょう。
ユーザビリティとは
まず始めに、ユーザビリティの意味を把握しましょう。
ユーザビリティという言葉は1998年に「ISO 9241-11」という国際的な標準として定義されており、
「特定の利用状況において、特定のユーザによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザの満足度の度合い」
というものです。
有効さ、効率、ユーザーの満足度ということで、どれも最終的な総合的評価といった感じですね。
atsumoの考え
ユーザビリティとは、ユーザーに寄り添ったポイントのことだと思います。
そのポイントとは、イライラや不安の種をできる限り取り除くこと。
デザイナーのエゴや組織の事情などに関係なく、真にユーザーの目線で良い製品を作ろうとすることで達成できることだと思います。
ものを作っていく中で、コストが増えたり実現難易度の高さによって、何かを諦めなくてはならなくなる時があります。
そんな時でも、ユーザーの姿をイメージし続け、使い勝手を犠牲にせず商品として完成させる。
これは案外、現在でも簡単にないがしろにされているものだと思います。
デザイン経験が浅くても、ユーザーのことを考えに考え抜いた真に使いやすいものを形にすることができれば、十分やっていけます。
また、製品を選ぶときには、どんなシーンでも自分がイライラせず、気持ちよく使うことができるかどうかを想像して選ぶようにしてみてください。
ユーザビリティと美しさ
それでは、人が使いやすいと感じるものはどのようなものか、考えてみましょう。
まずは、使うということの元になっている機能にはどのようなものがあるか考えてみます。
皆さんも一緒に考えてみてください。
・・・
持つ、握る、書く、切る、貼る、剥がす、塗る、合わせる、くっつける、入れる、まぜる、載せる、しまう、隠す、磨く、擦る、着る、履く、被る、
・・・
などなど、動詞としていろいろ挙げることができます。
使いやすいということは、まずはこれらの機能が楽で簡単に使えるということだと思います。
また、人は美しさを感じるものに対し、使いやすいものだと感じるということが分かっており、これを美的・ユーザビリティ効果といいます。
使いやすいと感じてもらえれば商品を手に取ってもらえるチャンスが多くなります。
実際に使ってみたら使いづらかったということが起こると残念なので、きちんと実際の使いやすさには気をつけたいところです。
理想としては、使いやすさを生み出すための条件を把握して、問題をクリアした上で、より美しくするにはを考えていくことだと思います。
ユーザビリティを下げないためのチェックリスト
次にあげる項目に該当するものは、ユーザビリティが低く、商品化しても購入してもらえなかったり、評価が低くなったりします。
なかなか難しいとは思いますが、厳し目にチェックしてみてください。
日常生活の中ですぐに壊れてしまう、壊してしまう不安がある
ものであれば最終的には壊れるのですが、すぐに壊れてしまうということは一番だめです!
当たり前だと思うかもしれませんが、しかし、世に出ているもので最も低評価に繋がっている内容はこれだと思います。
機能を使っているオンの間だけでなく、機能を使っていないオフの間も含めて壊れにくいものになるよう、1日の様子を想像してみる必要があると思います。
持ち運ぶものなのに、持ち運びにくい大きさ・重さをしている
持ち運ぶものである場合は、カバンやポケットなどに収納することがほとんどです。
この性質においては、カバンにでもポケットにでも、より場所を取らないコンパクトなものがより優れていることは明白です。
また、重量が軽いことも同様に重要です。
大きさ、重さは見た目にも関係し、持ち運び性(ポータビリティ)が悪いものは一目でパッと感じることもできます。
注意し、第一に設定するようにしましょう。
固定して使うものなのに、固定力が弱く外れる、もしくはその心配がある
ものを固定する、ものとものを固定する、特定の場所に固定するなど、固定機能がある場合、その力は重要です。
すぐに外れてしまうものはその分また固定し直すという動作の必要性をうみ、ストレスにつながります。
固定した状態で動くもの、動かすものであれば、より激しい動きでも固定が外れないようにしましょう。
身につけるものなのに、ピッタリ身につけられず、違和感がある
身につけて使うものである以上、第一に身があります。
その身を完全に無視したところでデザインをしても、できるものは不完全。
身につけるものとしての条件を満たしていません。
つける部分の形を把握して、それをベースに適合する形を考え、他の変更可能な部分を変更するのが正しいと思います。
手で持つものなのに、手で持ちにくい
こちらも手で持つものである以上、事前に手で持って確認することが必要です。
手で持つものは、ほぼ確実に動きをの中で使うことになります。
動きの中でも変わらず持ちやすいものにしましょう。
軽くする、手指の形の溝をつける、摩擦を増やすなどの対策が有効でしょう。
身につけるものなのに、重い
身につけて使うもの、身体のどこかを使って中空に存在するものが重いことは不快感に直結します。
また、大きさも必要以上に大きすぎると使用の機会を失ってしまうこともあります。
コンセプトを見返して、その大きさで本当に合っているかどうかを確認しましょう。
機能させるために、大きな力が必要
手で持つものや、操作ボタンなどに言えると思います。機能は十分でも、それを得るために大きな力が必要なものは使いにくく、避けられてしまいます。
機構や材質などが関係し、知識も必要になってきます。
操作を必要とするものなのに、操作がしにくい、誤操作してしまう
正しい操作をしているのに、誤った結果をうむことは、間違いなくイライラポイントです。
ソフトウェアを含むものの場合、処理の不具合によっても意図しない結果を出すことがあるので、実動作をしっかり確認することが必要です。
不快な音や光を出す
操作時の反応などで、音や光を出すものもあります。
運転時は常に光っているものも多いと思います。
このとき、その音が高かったり、光が眩しかったり、音と光のリズムが煩わしいなどによって、不快感を与えることもあります。
近くに置いて生活をしたり、繰り返し使用することで問題がないか確認しましょう。
小さすぎて見つけにくい、無くしてしまう不安がある
小さすぎても日々のイライラをうんでしまいます。
見つけにくかったり、無くしてしまうということです。
小さいものは、どこかに簡単に固定できる機能などと組み合わせると良いと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
私たちは、基本作る時しかその製品に触れていませんが、使う人はどれだけ長く身の近くに置くことになるかを想像しなければなりません。
厳しいですが、どれだけ見た目が優れていても、ユーザーに寄り添って作られたものでない限り、愛されるものにはならないでしょう。
いっぽう、使いやすいものは見ても美しいものです。
上記の内容に注意し、愛されるものをつくっていきたいですね。
今回はこの辺で!
最後まで読んでくださってありがとうございました。
またお会いしましょう。