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自然な「進化の流れ」とは?生き物の変化から学ぶデザインと発想のヒント

かたち
この記事は約6分で読めます。

こんにちは、atsumoです。

突然ですが、みなさんは「進化の流れ」を意識して生き物を観察したことがありますか?

生き物の成長って、僕らの想像を飛び越えてくるんですよね。


芋虫が空を飛ぶ蝶になったり、土の中で眠っていた幼虫が立派な角を持つカブトムシになったり。


自然の変化には、創作では絶対に思いつかないようなドラマがあります。

そしてこの“自然な変化の流れ”は、
キャラクターの進化、物語の成長段階、プロダクトデザインのバージョンアップなどにも応用できるヒントの宝庫なんです。

今日は、生き物の進化を楽しくのぞきながら、
「変化に説得力を持たせるにはどうすればいいのか?」
という視点でまとめてみました。

どうぞ楽しんでいってください。

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自然界に見る「進化の型」

自然の進化には無数のパターンがありますが、観察してみると共通する“型”があることに気づきます。
ここでは代表的なものから、物語やデザインにも応用しやすいものを紹介します。

① 完全変態型(劇的大変身タイプ)

蝶・カブトムシ・ハチ・甲虫などの進化。

  • 卵 → 幼虫 → さなぎ → 成虫

  • 姿がフェーズごとにまったく違う

  • 最終段階で能力が爆発

幼虫時代は弱々しく成熟に専念し、
最後のフェーズで一気に世界へ飛び出すストーリー性があります。

特徴

“必要なタイミングまで力を隠しておく”という、ドラマ性が高い進化パターン。
RPGのジョブチェンジや、ポケモンの進化表現の基礎にもなっています。

デザインに応用すると

  • 初期形態は地味・弱い・素朴

  • 中間形態は殻に閉じる・機能を溜める

  • 最終形態で色・形・能力が一気に花開く

という三段構成にするだけで、一気に“説得力のある進化デザイン”になります。

② 機能強化型(特定の部位が発達するタイプ)

鳥・恐竜・哺乳類に多い進化です。

子どもの頃は比較的なだらかなフォルムをしていて、
成長につれて“特定の部位”が発達していくタイプです。

例:

  • 角が伸びる

  • 翼が広がる

  • 牙が鋭くなる

  • 背ビレが大きくなる

特徴

同じ個体の中で“強みとなる部位”が育つという、能力の方向性が分かりやすい進化。

デザインに応用すると

「何がこの生物の武器・魅力なのか?」を最初に決めて、
そこだけ段階的に誇張していくと整合性が生まれます。

③ 環境適応型(住む場所で変わるタイプ)

自然界ではごく自然な進化。
環境が最適な形をつくります。

  • 水辺 → 手足がヒレ状になる

  • 砂漠 → 体色が砂に近くなる、水分を保持できるようになる

  • 深海 → 発光器を持つ、巨大化する、目が大きくなる

  • 高山 → 体毛が長くなる

特徴

“その環境に最適化するための進化”で、理由が明快です。
ゲームの属性進化に近いイメージです。

デザインに応用すると

「このキャラはどこに住んでいる?」を決めると自動的に形が決まります。

④ 分岐型(条件で姿が変わるタイプ)

同じ生物でも、環境や役割で姿が分かれることがあります。

  • 食べ物の違い

  • 外敵の有無

  • 環境の明暗

  • 雌雄

によって「同じ種なのに見た目が分かれる」例があります。

  • オスだけ色鮮やか

  • 棲む場所で体色が変わる

  • 角の有無が環境で変わる

特徴

“複数の未来を持つ進化”で、物語性が高い。

デザインに応用すると

「行動の選択」によって姿が変わる、という設定がしやすいというのは
ポケモンの分岐進化そのものですね。

⑤ 装甲獲得型(防御・攻撃が伸びるタイプ)

甲虫・カニ・アルマジロなどにみられる進化。

  • 外殻が硬くなる

  • トゲが生える

  • 身を丸められるようになる

特徴

外見に説得力がありデザインとして強く
“守り”と“攻め”のバランスが視覚で分かります。

防御型・戦闘型のキャラに説得力を持たせやすいです。

⑥ ソフト化型(洗練・合理化タイプ)

未来的・SF的なデザインにもつながる進化です。

  • 余計な部位がなくなる

  • 柔らかくなる

  • 足が細くなる

  • 表面が滑らかになる

自然界では、海中の生物に多いパターン。

特徴

洗練された印象があり、

シームレスで有機的な形は、未来感・高次進化も表現できます。

自然界の進化から学べること

進化の流れはどれも、とっても合理的なんですよね。

  • 必要なことだけを伸ばす

  • 必要じゃないものは削ぎ落とす

  • 環境に合わせて変わる

  • タイミングによって能力を解放する

この「必要性ベースの変化」は、
デザインでもプロダクトでもキャラクターでも応用できます。

デザインで進化を作るときのヒント

最後に少し、実践的なテクニックをまとめます。

「目的」を決めると進化は自然になる

飛ぶのか、守るのか、威嚇するのか、素早く動くのか、目的を考えることは重要です。

初期形態には“弱い理由”をもたせる

弱点があると成長の余地が生まれ、進化後の説得力が増します。

中間形態には「溜めの時間」をつくる

蝶のさなぎのように“変化の前触れ”を示すといいです。進化の兆し、アツいです!

最終形態には“初期の名残り”を残す

初期形と完全に別物だと、リアリティがなく、ドラマが感じられなくなります。

何を残すか、と言う選択もクリエイターの技の見せ所ですね。

まとめ

生き物の進化は、不思議で、賢くて、そしてドラマティック。
その流れを観察すると、キャラクターや物の形を変化させるときに使えるヒントが山ほど見つかります。

  • ドラマ性

  • 必然性

  • 段階の違い

  • 環境との関係

  • 力が解放される瞬間

自然界が作ってきた“変化の物語”は、創作にとって最強の先生です。

僕もよく、デザインや作品を作るときに「自然界ならどう変わるかな?」と考えるようにしています。

皆さんにとっても何かのお役に立てれば嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


またお会いしましょう!

【参考】進化・形態に関する専門用語まとめ

用語 意味 関連する内容
完全変態 卵→幼虫→さなぎ→成虫のように姿が大きく変わる進化 蝶・甲虫などの進化パターン
不完全変態 幼体と成体が似た姿で、段階的に変わる バッタ・ゴキブリなど
形態形成(モルフォジェネシス) 生物が形を獲得していくプロセス 進化の構造的理由
環境適応 生息環境に合わせて形が変化すること 深海・砂漠・高山の進化
性的二型 オスとメスで形が異なる現象 派手な羽・角など
擬態 周囲に溶け込むための色や形の進化 迷彩・保護色の発達
進化的圧力 生存を左右する要因が形に影響すること 外敵・食性・環境条件
機能美 必要性から生まれる美しさ 合理性のある形の発想に使える

アツシ

理工系の学部を卒業し、メーカーの生産技術職を経てデザインの道に進み、工業デザインとUI・UXデザインを経験しました。僕と同じような人がデザイナーやクリエイターを目指したり制作活動をすることの力になりたいと思っています。

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