
皆さんは、世界で「美しい」とされている四角形があることをご存知でしょうか?
そのひとつが 黄金長方形 と呼ばれるもので、
“黄金比”という特別な比率でつくられています。
今回は、デザインの基本中の基本でもある
黄金比についてゆるくまとめてみたいと思います。
黄金比とは?
黄金比(Golden Ratio)とは、
「1 : 1.618…」という比率のこと。
この比率は古代ギリシャの数学者たちによって研究され、
パルテノン神殿や絵画、彫刻など、
西洋の芸術の中でたびたび使われてきました。
“1.618”という値は「φ(ファイ)」とも呼ばれ、
無限に続く数字です。
なぜ黄金比は「美しい」とされるのか?
黄金比が長く愛されてきた理由はいくつもありますが、
代表的なのはこの3つです。
① 自然界に存在しているから
オウムガイの殻の渦巻き、
ひまわりの種の配置、
銀河の渦、
植物の葉の付き方…。
自然界の中に黄金比に近い構造がたくさんあると言われていて、
それが私たちにとって“本能的に馴染みやすい”と考えられています。
② 人が「整っている」と感じやすい比率だから
実験でも、たくさんの長方形から「好きな形」を選んでもらうと
黄金長方形が一番選ばれやすいと言われています。
つまり、
“美しい形だと自然に感じやすい”比率なんですね。
③ 安定感と伸びやかさの絶妙なバランス
正方形は安定して見えますが“動き”はありません。
細長い長方形は動きはありますが“落ち着き”がありません。
その中間にある黄金比は、
安定 × 伸びやかさ
のバランスがちょうど良いのです。
黄金比はどこに使われている?
この黄金比、使わない手はないですよね。
実は、実際にとても身近な場所に使われています。
– クレジットカードや名刺
– iPhone、Googleなどのロゴ
– 美術館や西洋の建築物
– ポスター、パッケージ
– Webデザインのレイアウト
– 写真の構図
特に、スマートフォンや家電の長方形デザインは
黄金比に近づけて“違和感のない美しさ”を作っているものが多いです。
デザインの世界ではある意味、**共通言語のひとつ**なんですよね。
黄金長方形ってどんな形?
黄金長方形とは、
縦横比が「1 : 1.618」になっている長方形です。
この長方形の特徴は、
長い辺から同じ長さの正方形を切り取ると、
残りの部分がまた同じ比率(黄金比)を保っていること。
この「どれだけ縮小しても同じ比率が続く」という
奇妙な自己相似性が、
数学的にも美しく評価されているポイントです。
デザインに黄金比を取り入れるには?
黄金比は「神の比率」と言われることもあり、
見た目のバランスを整えたい時の大きなヒントになります。
例えば、
– 要素の幅や高さを1:1.618にする
– ロゴのパーツの大きさを黄金比で区切る
– 写真のレイアウトの比を黄金比に
– Webの余白や段組をこの比率で決める
「なんだか決まらない…」
「もう一息、整えたい…」
そんなときに黄金比を思い出すと、形を決める助けになると思います。
まとめ
ものの形を決める際、とくに美しい形を考えるにあたっては、比率というものも重要になってきます。
内部に部品を含む製品であっても、コンピュータ化や小型化が進んだことにより、
外観が必ずしも内部機構の制約を受けなくなり、形を決める根拠を失われ、形を決めにくくなるという側面も出てきます。
皆さんも、ものの形に悩むときには、この黄金比を思い出して、寸法や要素の配置を考えてみてくださいね。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
それではまたお会いしましょう。




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